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WIM

Wong Wing Tsan Jazz Trio

1999.9.25 アルバムリリース

→ 聴いた人の感想集・・是非お読み下さい

  

 

 

良いと言われても、悪いと言われても、これが市原ですと言える作品

そういう作品は今までになかった

 

Wong Wing Tsan Jazz Trio

写真集

 

「WIM」のアルバムができあがった

 

Wong 美枝子氏のジャケットデザインにも相当気合いが入っている。

 

 録音は1998年11月と1999年5月にWongの家の一室で録音したものと、同5月の「なかのゼロホール」でのコンサートでのライブ録音。

 

 ピアノはWong氏宅のベーゼンドルファー、ゼロホールではヤマハだが、どちらも見分けがつかないほど、録音は非常に良いものになっている。

 

どの曲がライブで‥ということは聴いてもなかなかわからない
  

 WIM We In Music      < 試 聴 > Wongホームページより


1. Peace People / Wong

2. Waltz For Vana / Mori

3. Only A Step / Wong

4. It's Never Too Late to Meet Again / Wong

5. Just Like Blues / WIM

6. Rain City / Wong

7. Unknown Children / Wong

  

    

  

    

 このアルバムの特徴は、入り込んで聴き始めたら、とてつもなくのめり込んでしまう。

 

しかし、何気なく流しておいても心地よい

 

・・・とは、Wongと聴き直していたときの僕たちの感想

 

全体的には静かな流れを通している

 

しかしその中に熱い部分と、何となく笑える部分と・・・でも、聴く人はどうなのかなぁ

 

→ 聴いた人の感想集

   

  

Produce & Performed by

 WIM 


Piano

 Wong Wing Tsan

Drums

 Yasushi Ichihara

Bass

 Yasuhito Mori

 

Engineer

 Takuya Mori

Piano Technician

 Kohki Nakamura

Recording Assistant

 Mineshi Wong

Photographer

 Hitoshi Iwakiri

Photographer's Assistant

 Kentaro Normal

Jacket Art & Design

 Mieko Wong

 

 

 

アルバムに載せたられたジャズ評論家 後藤誠氏のライナーノーツ

 

【やり残してきた仕事】

 今から30年ほど前、江夏健二と名乗るジャズ・ビアニスとがいた。自らのトリオを率いて、都内のライブハウスを中心に活動を続け、70年代の半ばには、LP片面分の録音を発表したものの、その後は忽然とジャズ界から姿を消している。

 それからずいぶん時間が経過し、スウェーデンに長年住み、北欧を代表するジャズ・ベーシストとなった森泰人が、自己のグループ「ウィンデュオ」で帰国した。そのころ、ウィンデュオは、ウォン・ウィン・ツァンと名乗るピアニストと共演したディスクを発表し、まもなく帰国した森と再共演したウォンの演奏を聴く機会を得た。頭のなかで「ウォン・ウィン・ツァン= 江夏健二」と一致したのは、そのときが初めてだった。

 若干19歳という若さでプロ・デビューを果たしたウォンは、当初ジャズの世界に足を踏み入れるが、まもなく挫折。その後スタジオ・ミュージシャンを経て、ニューエイジ〜ヒーリングと呼ばれる分野で成功を収め、現在ではテレビ・ドキュメンタリーの音楽を手がけるまでに至っている。そのウォンが98年になって、トリオ時代のメンバー2人に「音楽をやらないか」と声をかけた。自分の音楽をずっと独力で作り上げてきたウォンが、かっての仲間と、いっしょにジャズを演りたいという。ソロ・ピアノの世界で自己のスタイルを完成させたWongだけに、きっといいものができるという確信が最初からあったが、本人はジャズに相当な劣等感があるのか、どうも自信が無いという。

 この作品が名盤か否か。その結果はみなさんがお聴きになっての通りである。

 グループ名のWIMとは、ウォン、市原、森のそれぞれの頭文字のイニシャルを合わせたものだが、もう一つ「We In Music」の略でもある。音楽のなかでもジャズという言語を通じて、同じ世界を共有しながら、自由な会話を繰り広げている3人のアーティスト。まさに今回、このトリオに賭けた狙いを象徴するかのようなグループ名だ。

 なかでもジェフ・ベックの名曲にインスパイアされて書いたというバラードの「It's Never Too Late to Meet Again」は、今回「やり残してきた仕事」に取り組んだウォンの、偽らざる現在の心情ではなかろうか。ラストの「知られざる子供たち」は、ウォンの既発アルバム「香港人形」に収録されていた名曲。テレビのドキュメンタリー番組で、アフリカのストリート・チルドレンたちの悲惨な状況を見せつけられ、心痛めたウォンが、彼らに捧げて書いた珠玉の逸品である。ウォンはこのアルバムに収録するつもりはなかった楽曲だが、森と市原が強く推した。聴いているうちに、訳もなく涙が頬を伝っていった。

 1996年の1月、久しぶりに帰国した森泰人のコンサートで、かって江夏健二と名乗ったジャズ・ピアニストに出会わなければ、私はウォン・ウィン・ツァンというアーティストに、これほどまでに関心や期待、共感を覚えなかったに違いない。長い時間がかかったけれど、ジャズの世界に戻ってきたウォン・ウィン・ツァン、そして森泰人、今や日本のジャズ界を代表するベテラン・ドラマーとなった市原康の3人に、感謝の意を表し、彼らのこの再デビュー・アルバムの発表を心から歓迎したい。

99.7.16 

後藤 誠 (ジャズ評論家) 

 

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